新卒に求めるグローバル人材とは vol.3

さまざまな問題を世界的視野で複眼的に見ることができる人材を求めています!

2016年2月10日

経済産業省 http://www.meti.go.jp/

所在地
東京都千代田区霞が関1-3-1
年間予算
8,947億円(2015年当初予算)
情報
経済産業省(英語名: Ministry of Economy, Trade and Industry、略称:METI)は、日本の行政機関の一つ。経済産業省設置法3条が定めた任務である「民間の経済活力の向上及び対外経済関係の円滑な発展を中心とする経済及び産業の発展並びに鉱物資源及びエネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保を図ること」を達成するため、経済産業政策、通商政策、産業技術、貿易・商務流通政策などを所管する。

「経済産業省としては、資源のない我が国の宿命として、世界的な大企業はもちろんのこと、町の中小企業にも『稼ぐ力』をつけて活躍してもらいたい。そのために、国の内外を問わず規制やルールをスマートな形に変えたり新たにつくったり、呼び水としてファンド組成や税制改正、補助をしたりしていく。日本の産業が世界で活躍できる環境をつくっていき、国富を拡大していくのが私たちの仕事」

そう語るのは経済産業省大臣官房秘書課・課長補佐の前田洋志氏。経済産業省が考えるグローバル人材について、そして採用したい人物像について語っていただいた。

(聞き手・グローバル就活ドットコム)

Q:経産省は霞ヶ関の中では異端なイメージがありますが。

確かにそうかもしれません。経済産業省は「現場」「挑戦」「変革」を組織的に掲げて職員一人一人が実行していますが、これは霞が関の中では珍しい風土かもしれません。

また、当省の幹部は、そういった組織のDNAを継承するため、若手の育成こそが自分たちの最重要任務だと言ってはばからず、インタラクティブな勉強会やBBL(ブラウンバッグランチ)をよくやります。その際、「『感性』を大事にせよ」、「世界のトッププレイヤーと伍してくために最大限自己研さんに励め」、「働き方改革をして仕事の生産性向上に最大限チャレンジしよう」といった指摘や議論がよくされます。

たとえば、最初の言葉であれば、自分の神経を研ぎ澄ませて現場の声に耳を傾けているか、そして心に響くようなことをちゃんとやっているか、といったことを日々自分に問いながら仕事をしろという意味だと思っています。

トップが若手に対してこのような檄を毎日のように飛ばしている組織は珍しいと思います。

Q:経済産業省として、採用時に見るグローバル人材像を教えてください。

経済産業省は、通商交渉や資源外交など、国際的な経験を持つ人材が活躍できるフィールドが無限大に広がっていますので、そういった人材がより強く求められる組織だと思います。

他方で、経済産業省としては採用選考の際に「こういう人でなければいけない」という画一的なものを持ち合わせていません。あえて挙げるとすれば、「この国、世界で起こっているさまざまな問題を「自分ごと」として捉えられるか、そして世界的視野をもって複眼的に物事を見ることができるか」ということは重要だと思います。

海外留学などの国際的な経験があることや英語を流暢に話すことができることは素晴らしいことなのですが、それ以上に、内外を問わず世の中で起こっていることを自分なりに分析して、何が解決策として考えられるのか、そうしようとした場合にどんな課題が出てくるのか、またそれをどう進めるべきか、といったように様々な角度から物事をみる視点を養うことは、我々のような組織だけでなく、グローバル企業にも求められていくのではないでしょうか。

ともあれ、「明日の日本、世界をよりよいものにしたい」というパッションを持っていることが、実は一番大事なことなのかもしれませんね。

Q:海外留学でしか得られない経験、は重要なポイントになりますか?

「グローバル人材」というのは単に英語などの他国言語が流暢に話せるということではなく、いろんな意味があると思いますが、日本の歴史や現状を自分なりに咀嚼していることも必要でしょうし、世界的視点を持って広く考えられることも大事なのだと思います。

私自身、学生時代に中国に行きましたけど、やはり行ってみなければわからないことが多く、貴重な体験となっています。

当時の中国はWTOに加盟した直後くらいで、まだ日本の経済規模のほうが大きく街のいたるところでスラムのような景色を見ることも多かったのですが、未来への活力というか、エネルギーを感じ、獅子は眠りから必ず覚めると確信しました。

その一方、当時の日本は「失われた二十年」の折り返し地点で、毎日のように、不良債権問題が取り沙汰されており、すっかり輝きを失っていました。

そんなふうに、日本の外で感じたことや日本の現状を自分なりに解釈をして、「自分には何ができるのか」と考えたことが経済産業省を目指す大きなきっかけになったわけでして、感性豊かな時期にビビッドな経験ができるというのは学生時代ならではの貴重なものなのではないでしょうか。

Q:女性の採用についてはどのようなお考えですか?

政府の方針として「男女共同参画社会基本方針」というものがあり、「採用の3割は女性にする」とされています。その方針は方針としてですが、国家公務員試験に合格し、官庁を目指される女性はみなさん非常に優秀だと感じています。

かつて経済産業省は「通常残業省」といわれた時代もありましたが、冒頭でも申し上げたとおり、「働き方改革」を通じて男性も女性も仕事の生産性を上げる取組を率先して進めている組織でもあります。残業を大幅に減らした上で成果もきっちり出していれば当然認められます。経済産業省にもお子さんがいらっしゃる女性はたくさんおり、子育てをしながら仕事が続けられる環境であることは間違いありません。

学生さんと触れ合う機会が多いのですが、能力とやる気のある女性に溢れていると思いますので、どんどんチャレンジしてほしいです。

Q:女性のどんなところが優秀だと思われますか?

学生時代から学業面でこつこつと積み上げてきたからでしょうか、女性は綿密で計画的に仕事を進めていく力がとてもある印象があります。また、議論をする際に、女性は相手の気持ちを汲み取りながら、円滑に進めていく能力が高いのではないかと考えています。冷静にファシリテイト役をこなされているのも女性の方なのではないでしょうか。

Q:最後に学生へアドバイスをお願いします。

留学でもいいし、自由に世界を放浪することでもいいのですが、一度日本から離れて視野を広く持つ経験は大事だと思います。社会人になるとそんな時間もとりづらくなり、なかなか実行できません。それと勉強は大事ですね。外国語、特に英語はとても重要だし、専門科目をがりがり詰め込むことも必要だとは思いますが、大学1、2年生の頃の教養科目である歴史・心理・哲学・宗教なども大事なのではないでしょうか。こういった学問はとっつきにくいし自戒の念も込めてしまうのですが、やはり「世界」を語る上でとても大事なのではないかと思います。

世界では人口増に伴う資源確保や食糧の問題、日本では超少子高齢化、競争力の低下等々数多くの問題がありますが、そういった問題を「自分ごと」として捉えてなんとかしたいという熱い思いを持っている皆さんに、ぜひチャレンジしてほしいです。

前田洋志(まえだ ひろし)氏 

経済産業省 大臣官房秘書課・課長補佐

2004年: 入省、中小企業庁 長官官房 参事官室(庁内のとりまとめ)
2005年: 中小企業庁 経営支援部 創業連携推進課 (中小企業協同組合の組織運営の規律強化と活性化のための法律改正に従事)
2006年: 製造産業局 自動車課(ASEAN各国との交渉の最前線、各国とのWin-Winの枠組み作り)
2008年: 貿易管理部貿易管理課(自由貿易を円滑化するための原産地証明法の改正を主導)
2009年: 大臣官房 総務課(国会提出法案の立案審査や、時代の変化に応じた経済産業省の組織改革)
2011年: 留学(カリフォルニア大学サンディエゴ校国際関係学修士課程)
2013年: 資源エネルギー庁電力・ガス事業部政策課 (福島の再生と電力の安定供給実現のための新しい枠組みづくり)

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