新卒に求めるグローバル人材とは vol.2

めざせ世界レベルのプロフェッショナル!

2016年2月3日

株式会社IHI https://www.ihi.co.jp/

本社所在地
東京都江東区豊洲三丁目1-1 豊洲IHIビル
創業
嘉永6年(1853年)12月5日 設立明治22年(1889年)1月17日
資本金
1,071億円
年商
1兆4558億円(連結)(2015年3月期)

「技術をもって社会の発展に貢献する」「人材こそ最大かつ唯一の財産である」という2つの経営理念の下、21世紀の環境、エネルギー、産業・社会基盤における諸問題をものづくり技術を中核とするエンジニアリング力によって解決し、地球と人類に豊かさと安全・安心を提供するグローバルな企業グループとなることを目指しているIHIのグローバル企業像、そしてグローバル人材育成について、長野執行役員・人事部長に話を伺った。

(聞き手・グローバル就活ドットコム)

Q:御社のグローバル人材の育成についておきかせいただきたいのですが、そもそも原点はどのような取り組みだったのでしょうか?

1959年1月2日、IHIの前身の石川島重工はブラジルに石川島ブラジル造船所、通称イシブラスを設立しました。その後、同社は、大型機械工場も有する中南米最大の造船所に成長し、ブラジルの工業化に寄与してきました。その数年後には、100人規模の日本人スタッフが現地に派遣され、ナショナルスタッフへの経営指導、技術指導を行ないました。

残念なことにIHIは94年にイシブラスから撤退しましたが、現在ブラジルには多くの造船所が育っており、主要な造船所の幹部は、ほとんどがイシブラス出身と言っても過言ではありません。イシブラスの名前はいまだに忘れられておらず、ブラジルでは「イシコーラ」、すなわち「石川島学校」と言われているほどです。

2014年8月、安倍総理がブラジルを訪問された際の講演でも「イシコーラ=石川島学校」がブラジルの産業人材育成に貢献があったことを紹介いただきました。今から半世紀も前に、外国の地でこれだけ根付き、その国の産業振興や人材育成に貢献することができたというのは、自分の会社のことで手前味噌ではありますが大いに誇りに思っています。

半世紀も前に日本企業が、地球の反対側で、地に足をつけ、必ずしも技能レベルも高いとは言えなかったであろう現地の方々と現在でも両国の礎となっている産業を作り上げたという事実。当時の日本人の英語力や異文化理解のレベルは現在の世代とは比較にならない程度と思います。

Q:グローバルなどという概念や、電子メールもインターネットもない時代に、会社の社運を賭けた投資を行ない、今に至っているわけですね。

長野:グローバル化を進めていく際に留意すべき点は日本企業と各拠点のローカル従業員のそれぞれのアイデンティティーの間に生じる大きなギャップです。

理想論かもしれませんが私どもの場合IHIとしての経営理念なりビジョンを明確に打ち出し、それを世界各地域の人達に理解いただきながらしっかりと根付かせていく、と同時に、地域に密着した事業をきめ細かく展開していくことが大切だと考えています。まさに「Think Global Act local」という考え方です。

Q:御社の考えるグローバル企業像についてお聞かせください。

まず、グローバル企業とはどのようなもので何をしなければならないか、について、私どもが考えていることをご説明します。

グローバル企業に共通するマネジメントを「戦略」「拠点経営」「組織マネジメント」「人材と企業風土」の4つの切り口で整理しました。

まず、「戦略」は、市場と事業の選択、製品・サービスを生み出すための開発拠点・生産拠点の選択、そして市場と事業の組み合わせに最適なバリューチェーンの構築がポイントとなります。

次に、「拠点経営」の考え方です。グローバルに配置される各拠点がネットワーク上に結びつき、各国や各地域で異なる事情、競合環境の違いを乗り越え生産性の向上と事業の成長を目指すことが求められると考えています。ただし、拠点経営の考え方は個々の企業の製品特性や競争優位の構築の仕方さらには経営理念によっても変わってきますのであくまでIHIの考え方として受け止めてください。

3つ目の組織マネジメントとも言うべき「統制」についてですが、特に私どものような複数の事業を有するグローバル企業の場合、事業別と地域別の管理が必要となると考えています。これまで事業別の管理は行なってきましたが、現在、地域別の管理も進めようとしています。さらに、マネジメントの対象が、各地域の文化、価値観に起因する内容へも広がりつつある中で、経営を円滑に進めていくには、集権と分権のバランスをとることが重要になると考えています。

最後が「人材と企業風土」についてです。異なるバッググラウンドを持つ人材の登用・育成・配置を実現することそして多様な人材が建設的に議論を戦わせ、生産的な結論に至るためには、理念、価値観、方針の共有はもちろんのこと、文化、習慣の差を許容し理解を深めていくことが不可欠です。いわゆるダイバーシティの推進です。

弊社におけるグローバル人材育成の取り組みは、こうした認識のもとに進めています。

Q:グローバル化に伴うテクノロジー開発や情報収集はどのようにされていますか?

「技術をもって社会の発展に貢献する」という経営理念を掲げるIHIにとって、海外の技術情報を収集・調査し、また研究機関・大学・企業等との技術ネットワークをグローバルに構築することは重要テーマです。このため、2007年4月より「技術アタッシェ」制度を設け、ロンドン・シンガボール・ニューヨークの各拠点に技術開発本部の人材を派遣しています。

ロンドンでは、伝統ある優れた大学・研究機関があり、基盤技術の維持向上を狙いにしています。シンガポールでは、急成長する市場、国家レベルの産業育成、ビジネス創出の機運の中でシンガボール科学技術研究庁とも連携し、社会実験、新規事業化の場として活用することを狙っています。最後にニューヨークでは世界トップレベルの大学・研究機関や多様なベンチャーとそれらを支える社会システムがそろっていることから先進技術の導入、次世代技術開発の活用を目的にしています。

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